作業療法は、作業活動を通して生活動作や思考力の回復を図ります。
作業とは仕事や手工芸だけではなく、家事や身の回り動作(立つ、歩く他)など日常で行っている活動も作業に含まれます。

- 1身体機能面への働きかけ
- 麻痺の回復を図り、関節運動、筋力を強化して生活動作の獲得を図ります。
特に「使える手」「使いたくなる手」を目指して、つまむなど指先の細かな動きから物を持ち上げるなどの大きな動作まで、「手」の機能向上と手を安定して使うために必要な体幹、下肢の強化を図ります。

- 2精神機能面への働きかけ
- 認識する、理解する、予測する、などの認知機能の改善を図ります。
左側や右側を見落とす、着替えがうまく行えない等の高次脳機能障害についても意識付けや身体感覚を取り戻す練習を行い、生活のしづらさを改善していきます。
作業活動、創作活動を用いて「できる」体験を積み重ね、自信や意欲、今後の生活への活力を引き出します。
活動の種類
体操、ゲーム、ボール、計算、パズル、書字、裁縫、ミシン、編み物、料理、革細工、籐細工、紙細工、ビーズ細工、絵、折り紙、囲碁、将棋、他

- 3日常生活動作練習
- 食事、着替え、トイレ動作など身の回りの動作の練習を行います。
入浴、掃除・調理などを実際に、もしくはそれに近い環境で練習を行います。
身体機能を補うための道具(自助具)の種類も豊富です。
- 4社会復帰、就労支援
- 交通機関の利用(時刻表の見方、ステップ昇降他)や商店での買い物(品物の選択、支払他)、スケジュール管理など退院後に必要となる活動を生活の場で練習します。
退院後に仕事復帰する場合、就労に向けての作業能力や耐久性、集中力、正確性などの検査を行い、作業想定練習や反復練習を実施して就労を援助します。